皮膚科看護師は、内臓疾患や重大な感染症にかかわることが少なく、比較的軽微な傷病の患者のケアがほとんどで、心理的負担が小さいと言われています。しかしながら、その業務は多岐にわたり、皮膚病が流行る乾燥期や湿潤な季節には患者が多く、多忙を極めます。皮膚科看護師の行う処置には、傷の消毒や軟膏の塗布だけでなく、液体窒素を使って良性腫瘍やイボを凍結させ取り除いたり、特殊なピンセットで水イボを摘出したりする外科的な医療行為もあります。
爪切りは医療行為ではありませんが、深爪や巻爪など変形した爪を切ることは容易ではないでしょう。イボの摘出や爪切りなど、皮膚科看護師の業務は力仕事が少なくありません。液体窒素やピンセットを用いる処置は患者の痛みを伴うため、事前に十分な説明が必要です。患者とのコミュニケーションを綿密に図りながら、処置することが求められるのです。また、皮膚科看護師は、患者の生活指導も行わなければなりません。
皮膚病の多くは、生活習慣や生活環境に起因するものが多いのです。皮膚疾患の原因は様々で、ペットの毛や食べ物から花粉や心理的ストレスまで枚挙に暇がありません。喫煙や飲酒の制限だけでなく、洗濯洗剤の種類や芳香剤などについてもきめ細かくアドバイスをします。心理的ストレスの解消が最も困難で、皮膚科看護師は心療内科のようにメンタルケアも行う必要があるのです。このような生活指導や問診の場面でも、看護師は患者と円滑なコミュニケーションを図る能力が求められます。